2020年度の卒業研究成果は以下からご覧ください(担当学生の説明動画付き).

2021年度 研究テーマ案

当研究室では,センシングによる計測・認識・情報提示に関する研究テーマについて広く取り組んでいます.以下は,現在進行中かつ来年度以降も継続予定のテーマの一部です.これらのテーマは共同研究や科研費採択課題としてプロジェクト化しています.各テーマの詳細については,非公開の情報などを多く含みますので,興味のある方は直接お問い合わせください(担当者には責任とともに潤沢な活動資金と機材が提供されます.我こそはという猛者は是非ご協力ください).

建機の知能化

現在,政府を主導として建設・土木分野の高効率化を目指した「i-Construction」と呼ばれる政策が推進されています.本研究室では,千葉県に拠点のある建機メーカーと共同で,施工現場における無人化を目指して建機に搭載可能なセンシングシステムの応用研究に取り組んでいます.

関連論文

  • 堂前雅仁, 畠山 佑太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “バックホウ作業装置の動的姿勢計測による多視点からのバケット内掘削⼟砂体積の推定”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’21講演論文集(ROBOMECH2021), 大阪(オンライン), June 2020.
  • 畠山 佑太, 川又 健太, 堂前雅仁, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “土砂自動積み込みのための車両認識と形状マッチングを用いたダンプトラックの位置姿勢推定”, 第26回ロボティクスシンポジア講演予稿集, (オンライン開催), pp. 73-76, March 2021.
  • 畠山 佑太, 川又 健太, 堂前雅仁, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “土砂自動積み込みのための統計的処理を用いた面検出によるダンプトラックの位置姿勢推定”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’20講演論文集(ROBOMECH2020), P12-A09, 金沢, May 2019. [J-STAGE]
  • 堂前雅仁, 川又 健太, 畠山 佑太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “相対的に移動する複数の搭載型RGB-Dセンサの統合によるバックホウの掘削土砂量推定”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’20講演論文集(ROBOMECH2020), 1P2-L08, 金沢, May 2019. [J-STAGE]
  • 川又 健太, 畠山 佑太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “土砂積み込み作業のための複数視点から計測した点群データの位置合わせによる広範囲土砂量推定”, 第20回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019), 香川, December 2019.
  • 川又 健太, 畠山 佑太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “バックホウによる掘削作業のための移動型距離センサを用いた複数視点からの土砂量推定”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’19講演論文集(ROBOMECH2019), 1P2-E09 , 広島, June 2019. [J-STAGE]
  • 畠山 佑太, 川又 健太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “土砂積み込み作業の自動化のための点群位置合わせによるダンプトラックの位置姿勢推定”, 日本機械学会関東支部第25期総会・講演会, 19A04, 千葉, March 2019. [J-STAGE]
  • 川又 健太, 畠山 佑太, 守本 崇昭, 泉川 岳哉, 藤井 浩光: “バックホウによる掘削作業のための測距データのボクセル化を用いた土砂堆積量の推定”, 日本機械学会関東支部第25期総会・講演会, 19A05, 千葉, March 2019. [J-STAGE]2019年 日本機械学会関東支部 若手優秀講演賞 受賞

VR/AR を用いたエンタメ・教材提案

当研究室では,VR/AR 技術とセンシングの技術を組み合わせることで,エンターテインメントや教育の現場で役に立つ効果的なコンテンツ提案に関する研究を行っています.一昨年度からは,教育効果の高い仕掛け絵本をプロジェクションマッピングで実現する研究を行っています.電子的に仕掛け絵本の立体的な視覚効果を実現する上で,アナモルフォーシスという錯視原理を利用した立体視映像の提示法を提案しました.

関連論文

  • 戸田 沙也香, 藤井 浩光: “錯視効果を用いた仕掛け絵本提示のためのプロジェクタ・カメラシステム”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’21講演論文集(ROBOMECH2021), 大阪(オンライン), June 2021.
  • 戸田 沙也香, 藤井 浩光: “プロジェクションマッピングによる仕掛け絵本のための錯視効果を用いた立体視映像提示システム”, 第21回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会講演論文集(SI2020), December 2020.
  • Sayaka Toda, Hiromitsu Fujii, “Projection Mapped Gimmick Picture Book by Optical Illusion-Based Stereoscopic Vision”, The 13th ACM SIGGRAPH Conference and Exhibition on Computer Graphics & Interactive Technique in Asia (SIGGRAPH Asia 2020), Article No. 34. [doi:10.1145/3415264.3425470]
  • 戸田 沙也香, 藤井 浩光: “仕掛け絵本の電子化のための錯視効果を用いたプロジェクションマッピング”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’20講演論文集(ROBOMECH2020), 金沢, May 2019. [J-STAGE]

異種複数センサ統合によるセマンティックセンシングとその可視化

東日本大震災が発生してから早くも10年が経過しました.しかし,原子力発電所の廃炉事業はいまだ終息に至らず,完全なる廃炉完了までは最長40年が見込まれるとの報告が上がっています.当研究室では廃炉現場などで活用可能な異種複数センサの統合による環境センシングに関する研究に取り組んでいます.映像を取得するカメラだけではなく,赤外線や近赤外線,光線の偏光情報や音響など,様々な環境情報を取得し統合・可視化することで,ロボットでの作業を支援します.

本研究は 「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業」における「共通基盤型原子力研究プログラム(若手)」の受託研究(再委託)「被災地探査や原子力発電所建屋内情報収集のための半自律ロボットを用いたセマンティックサーベイマップ生成システムの開発」の一環として研究助成を受けて取り組んでいます.

関連論文

  • 長坂 拓海, 藤井 浩光, 河野 仁, 池 勇勳: “環境情報の3 次元提示のための距離センサを用いた異種複数センサ統合”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’21講演論文集(ROBOMECH2021), 大阪(オンライン), June 2020.
  • 菅原 岬, 藤井 浩光, 河野 仁, 池 勇勲: “水の近赤外線の吸光特性を用いた水系領域の3次元提示”, 第21回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2020), 1A3-10, 福岡(オンライン), December 2020. (SI2020優秀講演賞 受賞)
  • 長坂 拓海, 藤井 浩光, 河野 仁, 池 勇勳: “水面の揺動による偏光情報の変化を用いた溜水位置のステレオ計測”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’20講演論文集(ROBOMECH2020), 金沢, May 2019. [J-STAGE]
  • 菅原 岬, 藤井 浩光, 河野 仁, 池 勇勲: “遠隔操作ロボットによる水源サーベイマップ構築のための近赤外線情報の3次元可視化”, 第20回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019), 香川, December 2019.

陸上養殖効率化のための自動化システムの研究開発

現在,水産資源の多くが過剰漁獲となっています.今後,世界の漁船漁業生産量を増やすことは困難とされる中で,世界人口の増加分の食料を補うために1990 年代以降には養殖業が拡大しています.しかし,昨今の主流である海面養殖では管理,環境負荷の観点から設置場所に限りがあると指摘されています.本研究室では,陸上に人工的に創設した環境の下で魚介類の養殖を行う「陸上養殖業」を担う企業様と共同で,その効率化のための自動化システムの研究開発を行っています.

関連論文

  • 大野 航太郎,畠山 佑太,藤井 浩光,大﨑 敦史,十河 哲朗: “陸上養殖における給餌効率化のための水面変動の時間周波数解析による魚群の活性度推定”, 第21回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2020), 1G2-10, 福岡(オンライン), December 2020. (SI2020優秀講演賞 受賞)

複数カメラを用いた特殊対象の3次元計測

当研究室では,3次元形状復元に関する研究に取り組んでいます.特に,オーロラや雲など従来の技術では復元が困難な半透明・非剛体物体を対象としてきました.今後,煙や動物体など様々な“特殊対象”をテーマとした3次元計測に取り組んでいきます.

関連論文

  • 金 喜正, 藤井 浩光: “人工物を用いたカメラ間の外部パラメータ推定によるステレオカメラを用いた雲の3 次元計測”, 第20回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2019), 香川, December 2019.
  • 金 喜正, 藤井 浩光, “ステレオカメラを用いた雲の3 次元計測のための誤対応点除去”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’19講演論文集(ROBOMECH2019), 広島, June 2019. [J-STAGE]

インフラ点検の自動化

当研究室では,インフラ点検の自動化のための研究開発に取り組んでいます.

関連論文

  • Hiromitsu Fujii, Atsushi Yamashita and Hajime Asama: “Defect Detection with Estimation of Material Condition Using Ensemble Learning for Hammering Test”, Proceedings of the 2016 IEEE International Conference on Robotics and Automation (ICRA2016), pp. 3847-3854, Stockholm (Sweden), May 2016. [IEEE Xplore]
  • 藤井 浩光, 山下 淳, 淺間 一: “打音検査のための自動校正機能を備えた自動変状診断アルゴリズム”, 日本機械学会論文集, Vol. 82, No. 834, February 2016. [doi:10.1299/transjsme.15-00426]
  • Hiromitsu Fujii, Atsushi Yamashita and Hajime Asama: “Improvement of Environmental Adaptivity of Defect Detector for Hammering Test Using Boosting Algorithm”, Proceedings of the 2015 IEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS2015), pp. 6507-6514, Hamburg (Germany), September 2015. [IEEE Xplore]
  • 藤井 浩光, 山下 淳, 淺間 一: “打診検査のためのブースティングを用いた自動状態識別”, 精密工学会誌, Vol. 80, No. 9, pp. 844-850, September 2014. [doi:10.2493/jjspe.80.844]

熟練者の技能解明

今年度は特に「手作業における熟練技能の解明」に取り組みます.

関連論文

  • 木村優希, 戸田沙也香, 藤井 浩光: “編み物における巧拙評価のための編み⽬模様と⼿先動作の解析”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’21講演論文集(ROBOMECH2021), 大阪(オンライン), June 2020.

深層学習を用いた特定物体認識

関連論文

  • 野口 達矢, 藤井 浩光: “深層学習を用いた物体抽出と距離情報を用いた面検出によるプリミティブ形状の位置姿勢推定”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’20講演論文集(ROBOMECH2020), 金沢, May 2019. [J-STAGE]

大規模3次元地図を用いたシーンからのリアルタイム自己位置推定

ロボットの自己位置推定は,様々なシーンや制約の下で数多くの手法が提案されてきています.当研究室では,森林などの非GPS環境でも自己位置を推定可能な,超高精度な3次元距離センサを用いて作成した地図と動画像センサを用いた,リアルタイムでのセンシング技術の開発に取り組んでいます.