熟練者技能の解析・モデル化
産業総合技術研究所 様との共同研究
当研究室では人の巧みな技能をロボットに実装することを目的とし,熟練者技能の解析およびモデル化に取り組んでいます.
人の巧みな技能は多様であり,特に熟練技術者による伝統工芸などにおいては,極めて高度な技術による作品が生み出されています.それらの技能は実際の作業を経て体験として修得される場合が多いですが,近年の継承者不足などの状況においては,その技術を伝承可能な形で保存することが必要となっています.本テーマでは,そのための方法論の構築を目的とし,手先技能の定量化と作品の巧拙に関係する動作の抽出を目的としています.
編み物における⼿先動作の解析
当研究室では,器用さを要する細かい手先作業の例として編み物を扱っています.編み物は世界中で古くから年齢を問わずに愛好家が多く,文化教室などでも修得可能な身近な技術です.また作品の差異を視覚的に確認し易く,技能の解析対象としての優位性を持ってます.本研究では,作品の編み目パターンの画像解析結果を用いて技能の巧拙評価の定量化を行うとともに,人の作業データ(手先の位置姿勢,反力)と関連づけた解析を行うことで,編み物における技能の抽出を試みています.
関連論文
- 髙澤 怜里, 藤井 浩光: “編み物技能の巧拙評価のための編み目形状に関する手先動作と指先反力の解析”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’22講演論文集(ROBOMECH2022), 札幌, June 2022.
- 木村優希, 戸田沙也香, 藤井 浩光: “編み物における巧拙評価のための編み⽬模様と⼿先動作の解析”, 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会’21講演論文集(ROBOMECH2021), 1P1-H06, 大阪(オンライン), June 2021.